満席になった争族ゼロ宣言シンポジウムの会場

こんにちは、サカエマチHOLICの安形です。

11月3日(祝)、西条から見ると隣の隣、四国中央市の川之江ふれあい交流センターで開かれた「争族ゼロ」宣言シンポジウムに登壇してきました。このブログでもお知らせしていたシンポジウムです。

「争族(あらそうぞく)」とは、相続をきっかけに家族が争ってしまうこと。相続が争族にならないように、そして困った空き家を生まないように。そんな想いをもつ人たちが会場に集まりました。

争族ゼロ宣言シンポジウムの会場の様子。進藤事務局長が支部の歩みを紹介

第1部:家を「負担」にしない。家を「希望」に変える

はじめに、主催の全国空き家アドバイザー協議会 四国中央支部の石川支部長と進藤事務局長から、支部のこれまでの歩みが紹介されました。スライドには「『負動産』を『富動産』へ」という言葉。困った空き家を、地域の財産に変えていこうという想いが伝わってきました。

全国空き家アドバイザー協議会 四国中央支部の石川支部長と進藤事務局長

第1部は、一般社団法人全国空き家アドバイザー協議会 事務局長の河野公宏さん。協議会のルーツは古民家再生協会で、その始まりは実は愛媛県。愛媛で生まれた活動が、いまでは全国に広がっています。

お話のテーマは、空き家の「攻め」と「守り」。攻めは、空き家を宿に変え、人が出会い交流する場所にしていくこと。守りは防災です。熊本の地震では、民泊を緊急の避難所として開放する取り組みもあり、Airbnbなどと手を組んで進めているそうです。稼ぐ仕組みにもなり、いざというときにはまちを支える基盤にもなる。スライドにあった「家を『負担』にしない。家を『希望』に変える。」という言葉に、そのすべてが込められていました。

第1部で話す全国空き家アドバイザー協議会 事務局長の河野公宏さん

争族ゼロへ、第2部で話したこと

第2部は、わたしがえひめ西条つながり基金の事務局長として「街を救う『冠基金』の仕組みと寄付の意義」をお話ししました。

争族ゼロ宣言シンポジウム第2部で冠基金について話す安形

テーマは、空き家を活かすためのお金を、どこから生み出すか、です。

四国中央市の働く世代(15〜64歳)は、2020年の約4.5万人から、2050年には約2.3万人へ。ほぼ半分になると推計されています。その一方で、子育てや福祉、医療の保険などに使う「民生費」のうち、市が自分で出しているお金は、約53億円から約99億円に増えました。市の予算のうち、自由に使えるお金はほんのわずか。個人の資産である空き家に、行政がどこまでお金をかけられるのか。正直なところ、大きな期待はかけにくいのが現実です。

では、どうするか。みんなでお金を集めて、みんなでまちを良くしていく。その受け皿として、いま四国中央市で生まれようとしているのが「マチマモ基金(円満承継街守り冠基金)」です。

空き家が生まれるいちばんの原因は、相続です。四国中央市はすでに全国空き家アドバイザー協議会と連携協定を結び、相続をきっかけに空き家を生まないための啓発を、行政と一緒に始めています。ここまで官民で手を組めているのは、四国中央市のすばらしいところです。

そして、もうひとつが「空き家をどう活かすか」。ここにこそ、地域の人たちのワクワクが入り込む余地があります。たとえば、空き家がパン屋さんに生まれ変わる。みんなで応援してできたお店なら、通いたくなるのは自然なことですし、店主さんもきっとこのまちを好きになって、まちのために何かしたいと思ってくれるはずです。

基金というと「お金をくれるところ」と思われがちです。でも本当の価値は、空き家というひとつのテーマを通して、いろんな人が関わり合い、このまちのファンが増えていくこと。それこそが「街守り」を名前に冠した基金の役割ではないか。最後は、みんなで支えるまちをつくっていきましょう、と呼びかけて締めくくりました。


満席の会場、終わってからも続いた立ち話

当日の会場は満席。時間の都合で質問はいくつかに限られましたが、終わったあとも会場のあちこちで立ち話の輪ができていました。空き家や相続のことを、自分ごととして受け止めてくれた人がそれだけいたのだと思います。

四国中央市から、空き家を上手に活かすモデルケースを生み出せたら。そして何より、この活動の真ん中には、熱量を持って動いている人たちがいます。その人たちに寄り添いながら一緒に走れるのが、とても楽しいです。

相続や家のこと、ひとりで抱えずに、まずは家族で話してみることから始めてみませんか。